Not On Label
Format: フォトソノシート(ソノシートに写真を印刷)+ZINE
秋田県秋田市を流れる一級河川「太平川」を題材にした心情豊かなドローン作品。
店主と同郷という事もあり、普段からnostのLIVEを見る機会があるのですが、その場が持つ空気と共鳴するように一音一音丁寧に奏でているのが印象的で、自分が発した音の責任というか場に対しての謙虚な姿が印象的だ。そんな優れた感受性を持つnostが水害と河川改修によって変容した太平川(以前は桜の名所)に想いを寄せた作品の02番。今作では、歩行など印象的なフィールドレコーディングとシンセを織り交ぜ、まるで太平川沿いを歩いているような錯覚に陥るサウンドスケープを披露。歩くピッチに合わさるように草木も揺れ、匂いまで感じる。聞く度に、このイマジナリーな散歩盤の魅力に惹きつけられます。。
※クリックポストでの発送可能
『秋田の音』
北東北・秋田。ある界隈では「gray city(グレイシティ)」と呼ばれ、独特の美しさを湛えた灰色の空の下には穏やかでありながら時に厳しさを見せる風景が広がっています。そんな抑えた色彩の中にも人々は確かに暮らし日々を営み、思いや感情の内的な風景を育んでいます。『秋田の音』は、そうした人々の生活を物語と言葉、そしてサウンドスケープで綴り一枚ずつ音の溝を彫って記録していくフォトソノシートプロジェクトです。
プロジェクトを進める中で、私たちは音を「生き物」として捉えるようになりました。このプロジェクトを進めるにあたり、もし音が生き物であるとすれば、その響きは歳月とともに変化し、やがて衰えていくのではないかと考えました。1970年代――nostが生まれる少し前の時代に作られたダイレクトカッティングマシンを使用することで音は一度過去へ旅をし、年を重ね今に現れる。古びた音像は朽ちてゆく美しさをまといながら過去と未来さえも繋ぎ時間の奥深さを映し出す。これらは一つ一つ手で刻まれた音の彫刻であり記憶と時間の深いつながりをとらえた作品になっています。
• 「太平川」シリーズ:秋田市楢山地区・太平川の音風景と記憶を記録。水害と河川改修による風景の変容と向き合いながら、楢山在住の作者自身の歩行訓練のルートとしての視点から制作されました。
*カティングノイズはソノシートの性質上必ず入ります